2.流浪の年月から政界復帰、新しい栄耀栄華へ
 <<凡例>>
年齢は数え年で、暦は旧暦です。
特に断っていない年齢は源氏の年齢です。
源氏にあまり関係のない事柄はイタリック表示です。

No.巻名(年齢)
14澪標
(28〜29才)
28歳冬10月、桐壺院追善の法華八講。
29歳春2月、朱雀帝譲位、冷泉帝即位。源氏内大臣。
3月、明石で女子誕生(後の明石中宮)
 夏、藤壺中宮、女院となる
[院・女院ってなに?]
秋、源氏住吉詣で
このころ六条御息所、前斎宮を源氏に託し死去。
15蓬生
(28〜29才)
 源氏の須磨退去に伴い援助が途切れ、末摘花家ますます困窮する。
源氏帰京後の29歳夏4月、源氏の来訪、末摘花をねぎらう
16関屋(29才) 29歳秋9月、源氏石山詣での途中、逢坂の関で空蝉の一行とすれ違う。
(源氏30歳に相当する記事ナシ。)
17絵合(31才) 春、六条御息所の遺児前斎宮、冷泉帝に入内、梅壷を賜る。
3月、梅壷方と弘徽殿方(頭中の娘)、絵合を行い、梅壷方の勝利。
[このときの冷泉後宮の位置関係]
18松風(31才) 秋、二条東院(源氏の住居二条院の東隣に作られた別個の建物)落成、花散里を迎える。
 明石の君、姫・母尼君とともに上京、大堰(おおい)に移り住む。
源氏、明石に姫君養女の件提案する。
19薄雲
(31〜32才)
31歳冬十二月、明石の姫君二条院に迎えられ、紫上の養女となる。
 32歳春、摂政太政大臣(葵の父)死去
同3月、藤壺女院死去。  このころ源氏従一位。
 夏、冷泉帝、出生の秘密を聞かされ悩む
20朝顔(32才) 冬11月、父・桃園式部卿宮死去に伴い斎院を辞した朝顔の君を訪ねる。
21乙女
(33〜35才)
 夏、夕霧元服(夕霧12歳) 六位のまま大学に入学。
[それは源氏の父心]
秋、梅壷女御に中宮宣旨。源氏太政大臣、頭中内大臣。
 源氏34歳春、夕霧進士。秋、五位侍従。
同秋、六条院建設開始。
35歳秋8月、六条院落成、ゆかりの人々移り住む。
同冬10月、明石の君六条院に移り住む。
[六条院の構成と主な住人]
22玉鬘(35才) (玉鬘本人のことは年立の見本参照)
冬10月、玉鬘六条院に入る。
23初音(36才) 六条院の臨時の祭り、男踏歌(いずれも正月の行事)
 紫上に預けてある明石の姫君と、実母明石の君との贈答
24胡蝶(36才)  3月、六条院春の町で船楽。秋好(梅壷)中宮季の御読経
 夏4月、夏の町に預けられている玉鬘に懸想多し。
25蛍  (玉鬘の年立参照:源氏の弟・兵部卿宮訪問)
5月、夏の町の馬場殿で競射。源氏の物語論。[聞いてみる?]
26撫子(36才)  内大臣(頭中)、娘・近江君を二条にある邸に引き取る。
6月、源氏、近江君の悪評について頭中をといただす。
27篝火(36才) (玉鬘の年立参照)秋7月、源氏、玉鬘につい食指が動く。
28野分(36才)  八月、激しい野分の日、夕霧が偶然紫の上を見、その美しさに魅せられる
29行幸
(36〜37才)
 36歳の冬12月、大原野行幸。
37歳の春2月、源氏、頭中に玉鬘のことを打ち明け、父娘の対面なる。
玉鬘裳着。
30藤袴(37才)  (玉鬘の年立参照)
 秋、玉鬘尚侍。
 冬10月、髭黒、玉鬘と結婚。
31真木柱
(37〜38才)
 髭黒の北の方、玉鬘との結婚に悩み、娘・真木柱とともに父・式部卿宮に戻る。
[式部卿宮さんちの家庭の事情]
 38歳春正月、玉鬘、髭黒邸に入る。
 冬11月、玉鬘男児出産
32梅枝(39才)  春二月、明石の姫君裳着、東宮(朱雀院の皇子)元服。
33藤裏葉(39才)  夏四月、夕霧と雲居雁結婚
 明石の姫君、東宮に入内。紫上と明石の君の対面。
秋、源氏准太上天皇(=院)。頭中太政大臣。
冬10月、冷泉帝と朱雀院、六条院に行幸。

光あるところに必ず陰のあり…(続)