その壱
<とりあえず、頭を丸めていらっしゃい。>

「大言壮語秘伝書」というアイテムがあります。
入魂システムで、これぐらいの性能の特殊装備は結構すぐ作れるようになったので、今はすすんでこれを手に入れようとする人は少ないと思いますが、このアイテムは手に入れるまでのクエストが結構面白いので、その経過を記録しようと思います。
とはいっても、因香さんはこのクエストをすでに済ませてしまったし、今わざわざこれをとりに行く必要はありません。
因香さんは、身分が与力になったときに、ほぼ同性能の「勘解由陣羽織(かげゆじんばおり:三枝隊アイテム)」をもらってしまったので、それをずっと愛用しています。
だから、今回の「大言壮語秘伝書」クエストのマヌカンさんは…

いつぞやの花火クエストのときと同じ、比丘尼ちゃんです。
理由は、クエストのマヌカンもさておきながら、彼女にも腕力装備がほしかったからです。
腕力は、攻撃力の根本ですが、アイテム所持の限界重量を腕力+2たり+1してくれるので、生産・採集キャラだといって侮れないのですよ。
それにしても比丘尼ちゃん、花火クエストのころと比べると、ずいぶん立派になりました。いつの間にか勢力も武田だし。
法衣系の(暫定)最高装備の大乗衣もさりげなく着こなす比丘尼ちゃん。(今これは赤染めにされました)
頭巾はキライ。でも、武田に出戻って侍大将になったときに穴山隊に配属され、キライなはずの頭巾が…
そういういわくはさておいて、「大言壮語秘伝書」クエストは、上野城下町の薬座あたりからはじまります。

(ゲーム時間で夜になってしまって、画像が暗いのが多いんです、補正したら逆に明るくなりすぎるのですが、あしからずご了承ください。)
その上野の薬座あたりを、あっちいきこっちいきする謎の武芸者。このひとがこのクエストのキーマン、大泉さんです。

その大泉さんに話しかけると、なんかにやにやされます。
画面上ではわかりませんけどね。
正直、クエストでもないと話しかけたくないタイプではありますが、ここは比丘尼ちゃん、ぐっとこらえて話を続けることにします、

頼んだ覚えもないのに自己紹介してくれます。
西国からわざわざやってきた剣豪様が、どうしてこんな人もいない町でうろうろしているんでしょうか。
上野は上杉家の領土ですが、上杉の本拠地はご存知越後、上野は、昔は狩人狩りの補給拠点として活躍しましたが、今はそんなに訪れる人もありません。
ちなみに銘菓は焼き饅頭。

それから、いままでRPG(オフラインも含めてね)で、こういう自己紹介するNPCにかぎって、ふたあけてみたらそうでもないという例はいっぱいあります。
でも、このクエストでは、大泉さんと戦うことはないので、話の先を聞きましょう。

「はっはっは」て、あんた…

ちなみに、大泉さんが探している上泉信綱(かみいずみ・のぶつな)さんというのは、上州屈指の大剣豪で、「新陰流」という流派を作った人です。(性格には古式兵法のひとつ「陰流」をきわめてたちあげた人、かな。)
よく時代劇で「柳生新陰流云々」なんてネタになるのは、この上泉さんの弟子の柳生さんが新陰流の奥義をを教えられて立ち上げ、それが江戸時代の将軍家の基本剣術になったからですね。
ゲームとは直接関係ないですけど、大河ドラマ「独眼竜政宗」で出てきた柳生宗規(やぎゅう・むねのり)さんは柳生新影流の二代目です。
とまれ、そんな大剣豪となにしようってんですか、あんた。
ゲームオリジナルの武芸者なのに。

どうやら、上泉さんと遭遇できない大泉さんは、ヒマをもてあましてらっしゃるようです。
虎の牙ですか。
たしかに上野にはいませんが、よその国に行けばいますね。

ええ、ええ、もう、受けて立ちましょうとも。
甲斐は虎の国なんですよ。
お館様は「甲斐の虎」って別名もあるんですよ。
上泉さんは、その「甲斐の虎」のスカウトを蹴って、「新陰流」立ち上げたヒトなんですよ。
まあ、御託はソレまでとして、比丘尼ちゃんは甲斐へ…と思いきや、おもむろに両替(倉庫)に向かいます。

比丘尼ちゃんの心境は、すでに「宇宙戦艦ヤマト」における真田さんです。
こんなこともあろうかと、ためておいたのですよ、「虎の牙」!164本!
甲斐には「虎」と「虎の子」がいて、比丘尼ちゃんはこのクエストを受ける前に、みっちりと虎の子狩りをしていたのです。というか、戦闘目録覚えないと、徒党を組んでもらえたとしても役に立たないしね。
ちなみに、この虎の牙は、この「大言壮語〜」クエストの関係か、ロットアイテム(取引不可)になっています。一人で虎と戦っているときは、そんなことはぜんぜん気にしないわけですが、何人かで虎を狩りにいくときは、仲良く分け合いましょう。
でも、この164本を、全部大泉さんに見せるわけではありません。
実は、大泉さんが持ってくる虎の牙は、数が決まっているのです。

だから、その数を一本でも上回れば、彼との勝負は自動的に勝ち、と言うことになります。
早速必要分だけ取り出して、見せに行きましょう。
クエストを達成してしまうと、見せ合った虎の牙は消滅します。
面倒でも、必要分だけもって行きましょう。

さあ大泉さん、いざ尋常に勝負勝負ぅ〜

小娘(いや、尼だから性別は本当は超越しているはずなんだけど)だと思って甘く見ないでくださいましね、生産特化ステータスで腕力と器用さには自身がありますのよ。

ちなみに、全く持っていない状態で話しかけると、こんなことを言われてしまいます。
まあ、待っててやるというのですから、もしうっかり話しかけて挑戦を受けてしまった場合は、粛々と虎のいるところで牙を必要数集めるだけですね。
甲斐にもいますし、近江にもいますし、摂津和泉にもいます。ダンジョンにもいます。必要数なんて、すぐ集まりますよ。
牙がもったいないので、失敗(大泉さんより少なかった場合)は試していないのですが、大泉さんの態度が終始こんな具合だから、きっとボロクソ言われて牙を取り上げられるだけだと思います。
あ、失敗しても、大泉さんが数合わせに持ってくる牙が増えるとか、そういうことはないのでご安心を。

さあ、数比べをしましょう。
この一見半端な数、これでいいんです。これがいいんです。

一本差でも、勝ちは勝ちです。
大泉さん、ひとしきり悔しがります。
ひとしきり悔しがったあとは…









あっさりと負けをみとめます。
負けた途端先生呼ばわりです。こんな卑屈で現金な武芸者、アリなんでしょうか。
でも、そういう卑屈で現金な武芸者(?←もう疑問符つけてやる)だからこそ、持っているんでしょうね。

こーいうものを。

ちなみに、この「大言壮語秘伝書」を、持っているか倉庫に入れているかしていると、大泉さんの態度はずーっとこの調子です。後ろ頭がかゆくなるって言うのは、こういうときのことを言うのでしょうか。
比丘尼ちゃんの弟子になるなら、まず頭を丸めて、般若心経の一回でも暗記できるようになってからまたいらっしゃい。

しかし、牙21本で本一冊もらうのに、何も160本も牙はいりませんよね。
実はこのクエストには、(多くのアイテム取得系クエストにも同じことが言えるのですが)ちょっとした小技がありまして、
もらったアイテムを破棄すると再挑戦可能
になるのです。
あの尊大なセリフをもう一度百曼陀羅聞かされるわけですが、聞かなきゃならないわけもあります。
その拾六で、「生産キャラクターは名声を上げにくい」という話をしましたが、この大言壮語クエストは、アイテム以外に名声がついてきます。
この名声が、以外においしいのですよ。

こんな名声、生産の業物でたたき出そうとしたら、数十数百の凡作駄作を産出する必要もあるというわけで。
でも、このクエストは、牙が21本あれば何度でも本を捨ててはもらい捨ててはもらいできるのです。
アイテムの本来の意味を無視したような行為ではありますが、これも一つの生きてゆく知恵、ですよ。

大泉さんは、こうして自分の集大成があげては捨てられあげては捨てられしているのがわかったら、一体どんな顔をするでしょうねぇ。
それを知ることができないのは、ある意味キャラクターにとっては幸せかもしれません。

虎の牙は、まだ数本倉庫に残ってます。
でも、これはまた別の使い道があるので、とっておくことにします。

また虎ソロするようになったら、遊びに行くのもいいかもしれませんけどね。



トップへ
トップへ
戻る
戻る



 (C)2003-2007 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.