その九
<いつか自分が神殺しになる日>

それは、伊賀の忍者砦で断片取りの徒党を組んだ後のことでした。
甲府を遠く離れた狩場から帰るときは、狩りの稼ぎで船に乗るのがちょっとした贅沢です。
伊賀の最寄の港は堺になるので、大和経由で行こうと思って、走って大和に入ったとき、よく見ると大和の地図に、摂津和泉(堺の港がある)への国境の手前に南に折れている道があったわけです。
耳知識だけは達者な私は、
「ほうほう、これが話に聞く三輪山だな」
とおもい、ちょっと観察にいくことにしました。
三輪山もダンジョンのひとつなのですが、そこで冒険ができるのは難易度の高いハードルをクリアしなければならないというもっぱらのはなし。
どういうところなのか、一人はいれるところまで入ってみようとおもったわけです。

(地図を忘れたので代わりの画像をいれてあります。大和に入って、南の方にいって途中で切れている道が、三輪山への道です。)

すったすったすった、とみなみにはしることしばし、私の目の前に飛び込んできたのは、道の両端にこんな灯篭が置いてある道。
なんかいわくありげになってきました。
ちなみに灯篭のひとつひとつは、↑にあるように私より大きかったでした。

灯篭の案内するままにまた走ってゆくと、突然こんな大きな鳥居が出てきました。
うむ、入り口としてはわかりやすくてよろしい。

鳥居をくぐり、すったすったとゆくと、突然画面が切り替わり、そこはもう三輪山。

甲府も常春の町ですが、こんなに立派な桜はありません。
ほわーきれいだなぁと、ぐるりと見回して放心しばし。
桜の向こう側には、ねずみらしい生き物がうごめいています。
アレと戦えるようになるのかな、などと考えながら見回していると…

桜の傍らに、首をもたげてしっぽを振り振りしている白い蛇が。
「おお、三輪山といえば白い蛇。これに話しかければ何とかなるんだろうなと近づいて話しかけてみたのですが…

み、みぃさん??
みぃさんって、みいさんって…
神様のお使いにしてはあまりにフランクすぎるその言いクチに、呆然としている私の前で、三輪山の蛇さんはとうとうたらりとうたらりと自己紹介をしました。
しかし、いくらなんでも神様をみぃさんとはよう呼ばんわ…とおもっていると、

強制ですか、強制なんですかっ

ほ。
どうやら、今のダイアログは私の声ではないらしい。
しかし、出来心でふらりとたちよった私は、ここに立ち入るほどの条件が絶対的に不足しているようです。

みぃさんのフランクさに笑い転げていたので、スクリーンショットを取るだけで精一杯だったのですが、この条件、簡単なようで難しい気が…
というか、なんか、一昔前の少年漫画みたいな展開になってきましたよヲイ。

みぃさんの話を一通りきいて、
「さて、この桜の奥はどうなっているのかな」
とおもって、走り出しては見たものの、見えない壁があるようであるところから先に進めなくなっています。
「ああ、すぐそこにネズミがいるのに、なんかすでに通り抜けてるひとがいるのにっ」

私がみぃさんに「僕の友達と遊んでいってよ」といわれるのは、いつのことなんでしょう。
しかも、遊びにいくんじゃなくて、狩りにいくんですよね。

みぃさん…できれば敵に回したくない。
でも、最近目覚めた冒険巫女の血が、どうすればみぃさんにこの先を通してもらえるのか考えていますよ。
遊びに行きますよ、いつか。
そのときは、私は神殺しですね。きっと。



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