戻る


原典について

すでに、わからない、忘れたという方もおりましょうからぼちぼち説明致しましょう。 
おかたいところから言えば、週刊少年ジャンプ1986年新年号〜平成2年49号、そしてVジャン プ(といっても、現在とは全然体裁の違うものでしたが)に掲載されたヒロイックファンタジー、 集団プロテクトヒーローものの草分け、荒唐無稽なカクトウファンタジーなわけです。アニメも 86年の7月から89年の4月まで、オリジナルも交えた全114話放映されました。 
  

 では、ストーリーについて簡単にお話しましょう。アニメ等でお馴染みのセリフに、こんなもの があります。 
「この世に邪悪がはびこる時、必ずやあらわれると言う希望の闘士、聖闘士が、現代に蘇っ た」 
(なつかしいなあ、これ) 
その蘇った邪悪と、聖闘士なる少年達の戦いの記録な訳です、このマンガは。 
 で、聖闘士と言うのはどう言うものかと言うと、ギリシア神話の戦いの女神アテナを守護する と言う宿命を帯びた、神話に記録されていない存在、と言うことになっています。このマンガの 世界では、現地の人間なら極たまに遭遇することができる存在らしいですが。 
「武器をきらうアテナを守るため 少年たちはいっさい武器を持たず まさしく己れの肉体を武 器として戦った!! 
その拳は空をひきさき… その蹴りは大地をわったという…」(原作第1巻より) 

 物語は、まず、主人公であるところの星矢がペガサス(天馬星座)の聖衣(クロス・端的に言 えばプロテクターですね)を、ライバルとの死闘の末獲得するところからはじまりました。 
 ところが、この星矢は、歴とした身寄りと言うものがありませんで、へたをすれば死んでしま うという修行の果てに聖衣を得たというその理由が、「離ればなれになっているお姉さんを探 し出す」という…へえ、「アテナを守る為に」というお題目の元で超個人的な理由を抱えており ました。 
 といっても、6年に及ぶ修行の果て、日本に帰ってきた星矢を待ち受けていたのは、グラー ド財団という法人(…なんだろうか)が主宰する、K−1も真っ青の格闘トーナメント「銀河戦争 (ギャラクシアンウォーズ)」への参加なのでした。というのも…星矢、そしてあるいは同じき運 命を持った子供達はこのグラード財団によって、全世界に送られたも同然だからなのでし た。 
 グ財団の当主は、聖闘士養成プロジェクトを開始し、完了を見ずして亡くなった祖父の後を ついだ、城戸沙織という少女です。「聖闘士は、アテナのためにならない私闘は御法度だ」と いう掟を持ち出した星矢に、沙織は「この銀河戦争で優勝したら、財団の力でお姉さんを探し 出してあげる」という取り引きを持ちかけ、星矢はこれに参加するはめになるのでした… 

 はてさて、この銀河戦争の優勝賞品?は、沙織の祖父が北欧から仕入れたと言う「黄金聖 衣」でありました。念のため、星矢や、その他銀河戦争の出場者は、10人いる全てが「青銅 聖衣」という、聖闘士のヒエラルキー(階級制度)でいえば最低のものです。五輪のメダルと同 様に考えてください、最高に当たる「黄金聖衣」は、全世界探しても定員が12人と言う、非常 にレアな格闘のプロにのみゆるされるものなのです。なんでそんな黄金聖衣の一つが日本に あるのか、その本当の理由はおいおい明らかにされますが… しかし、手にいれたってどうに もならないものを、貰ったとして、どうするのでしょうかねぇ… 
 この銀河戦争出場者の中から、紫龍、氷河、瞬といったのちのちのメインキャラクターが固 定されてゆきます。 
 しかし、その銀河戦争も、さらなるバトルへの単なる序章に過ぎず… その賞品である黄金 聖衣が強奪されるという事件が起きます。犯人は、銀河戦争の出場者としてノミネートされな がら、顔を見せていなかった10番目の男…鳳凰星座の青銅聖闘士となった「自称・地獄を見 た男」一輝なのでありました。彼は、修業先で師匠を殺害して、その土地にいた聖闘士界の おちこぼれ「暗黒聖闘士」を掌握して帰ってきたのでした(みんな、エスメラルダのことは秘密 にしておくんだ、秘密に…(笑))。 

 そして、この暗黒聖闘士との戦いの間に、星矢達の素性について、衝撃の事実が明かされ ます。 
 銀河戦争を企画した城戸沙織の祖父。彼こそが、星矢はおろか、聖闘士になる為に全世 界に送られた100人の孤児すべての父親だと言うのです…(ひえええ。) 

 暗黒聖闘士達の戦いに終わりが見えてきた頃、とうとう、聖闘士の総本山である「聖域(サ ンクチュアリ)」では、日本に集結した青銅聖闘士に、銀河戦争等と言う私闘に手を染めたと 言う嫌疑で抹殺命令が下りました。その命令を実行するのは白銀聖闘士達でした。階級では 上下に隣り合わせですが、その実力の差と言うものは「神と虫けら」も同然と言う… その抹 殺を命じられた一行の中には、星矢がギリシア・聖域で師事した鷲星座の聖闘士・魔鈴(注・ 女性です)の姿まで… こんなのが大挙して押し掛けてきたら青銅聖闘士なんて、と思いき や、星矢と、すでに彼に友情を感じた紫龍・氷河・瞬は、友情の援護と、戦いを通しての学習 を重ね、様々な外部からの支援もうけ、次々と白銀聖闘士を倒して行きます。 
 そして、星矢に残された、師匠・魔鈴からのメッセージ… 
「星矢、アテナを守りなさい」 
この真の意味は? 暗黒聖闘士から奪取した黄金聖衣のパーツを、城戸沙織のもとに持ち 帰ってきた時、自らのことについて、沙織は「事実」を打ち明けます。自分が、聖闘士が守る べき存在、女神アテナである、と。 

 それでは沙織はじつは外人だったのか、よく外人が外見的に日本人のふりをしていられた なぁ、と、そういうツッコミはさておいて、現代に肉体をもって生まれてきたアテナ沙織は、降 臨当夜に膝元に起きた事件を回避する為、時の黄金聖闘士のひとりによって救い出され、た またま旅行中でギリシアにいた沙織の祖父に託されたのだというのです。 
 それを信じるか、信じないか、心の余裕も与えられないまま、白銀聖闘士のさらなる抹殺の 手がのびて… 

 白銀からの襲撃をからくも凌いた星矢たちに、一時の平安が訪れましたが、(しかし、有事 と平時での星矢の描写が…主人公自らギャグ担当か?)それも、やはり嵐の前の静けさに 過ぎず…聖域では、とうとう、世界で12人という黄金聖闘士を召喚し、星矢達の抹殺に乗り出 したのでした。青銅と白銀で神と虫けらなら、光の速さを造りだせるという黄金と青銅ではどう なるのでしょうか…さてお立ち会い。 
 それが、怪我療養中の身とあって、一時はピンチに陥った星矢を、あの黄金聖衣が守りま す。それは、最後にその黄金聖衣を所持していた聖闘士の遺志でありました。星矢達を抹殺 しようとしている教皇、それこそが、目下討つべき邪悪であり、その威に反する星矢達はアテ ナの下に正しきものであるというように。 
 追い撃ちをかけるように、あらわれた沙織も言うのでした。銀河戦争も、その邪悪に立ち向 かいうる実力の聖闘士を選りすぐるために開いた、と。沙織の祖父も、心を鬼にして、そのア テナのためにわが子を犠牲にしたと。 

 全ては星に定められたこと、その星のもとに殉ずるために聖域に向かい、教皇と対決する という沙織を、それぞれの思惑もからめつつ、結局形としては助太刀することになった星矢と 愉快な仲間たちだったわけですが…(ジュネって結局寝っぱなし?) 
 聖域でも、それ相応の用意を持って彼女等を待ち受けます。教皇は、自分のいる教皇の間 に至るまでの12の宮殿、「十二宮」に、それぞれゆかりの黄金聖闘士を配備しました。 
 そして、沙織の命を人質にとった上で、12時間のうちに昇って来て謁見を受けよと言うこと になったのです。 
  

 さあ、ここからさきはあなたの目で御確認を…