Sleevenotes この創作は龍が主役です。
この創作での龍は、一般的に考えていられるものとは、ずいぶん違うところがあります。人間臭いと言うか…と、いうわけで、読解の一助として特徴的な部分に解説をくわえておきたいと思います。
また、本文中の難解な語彙についてまとめておくつもりです。
<大龍神帝国の人種構成など> 正確な人口は作者も実は把握していません(笑)つーか、それは別の場所に譲るとして、大きく「龍」、「角なし」、「素人間」にわけられます。
龍…先祖の血を引き継ぎ一対以上の角を持つもの
角なし…龍と素人間の混血、あるいは諸事情があって、角がないか失ったかしたもの
素人間…外国からの移民、難民、商人等、先祖伝来の血を持たないとされるもの
先祖伝来の血と言うものに非常に曖昧な定義を感じるのですが、ふつう龍はうまれれば角を持っていると解釈してください。その血が濃いとされる程、角が大きく、形も美しくなってゆくようです。たいてい一対ですが、龍王(まあ皇帝だと思ってください)とその子供、あるいは本文中の「龍神のよりまし」のような、「とおきみおや」とまとめられる神にのみ、ニ対あるとされています。(祖齢信仰なので先祖=神なのです)
そして、角なしあるいは素人間は、先祖伝来の姿を保つことが出来なかった等の理由で、市民権を得ていないのが実情です。数的にもマイノリティに属しますので、こう言った存在は国内に数カ所ある「四足街」に収容しているようですね。
<たれか龍の雌雄を知らん> 龍は、人間(+角)と、いわゆる龍の姿と、二つの姿を持っています。普段は人間の姿で生活しています。「先祖伝来」にこだわりのある龍なので、本来その姿にはいたく不本意なものを感じているようなのですが、先祖伝来の龍の姿では、もろもろ不都合があるようで、今の姿に甘んじているようです。
さて、人間の姿である場合には、男女の区別は容易につきます。
龍の姿になっても、微妙なポイントさえ逃さなければ、かなり容易に男女の区別をつけることができるようです。
創作にはさして関係はありませんが、
♂…角は太く、とりわけ根元にくらべて先端が太くなる傾向にある。
尾がすらりと細くのびる。
たてがみがかたい
♀…角が細い
尾の終わりが太い
顔だちがほっそりしている
んだそうです。
龍の時の体色は、青〜青緑〜緑が大多数です。その他の原色、中間色、黒白金銀も存在しますが、それは学校のクラスの中に天然パーマの生徒がいる割合ぐらいです。
<龍の生態> 本文中にある通り、古代の龍は「思抱(しほう)」という方法により、天地の気(これはこの国の中にふつうに存在する、万物を構成する唯一の存在と言う解釈がされているようです)から、父母となる男女が念じることによって子孫をえていたとされます。
が、現在は、天地の気の量の変化、あるいは変質によって、その方法が不可能になっています。いきおい本文にもある通り、父母となる男女が、より外的影響の少ない中で、自分達を構成する天地の気をわけることにより増える…つまり、「素人間的生殖(あなたも私もそうして生まれてきたのです)」が、現在龍の一般的な生殖の方法です。
この方法は、一部龍の有識者には大変に不評です。「素人間的生殖」にはその後も麻薬的な劣情を催す副作用がある、そんなことするなら子孫なんていらない、と言う声もある程です。なんらかの事情で龍が思抱出来ぬとき、古来は蛇の姿を借りて子孫をえたとされています。その蛇が人間になっただけ。人間の姿を「四足の蛇」として忌み嫌う龍もあると言います。
閑話休題、「受胎」から二ヶ月で玉子が生まれます。9センチ×18センチのラグビーボールに似たと言うか…恐竜の玉子のような…だ円形の玉子らしいです。
玉子のカラは、中の子供がちゃんとした形をえて外に出るまでに、外部からの衝撃から守る役目があるのでしょう。とまれ、玉子は数カ月天地の気を浴びることによって、成長します。最初両手に乗る大きさだったものが、最終的には大人が二人で抱える程になります。
そうなった頃に、吉日を選んで玉子から出す通過儀礼を受けることになります。本文では「思抱の儀」とよんでいますが、七五三的感覚で考えてよいものでしょう。このときすでに見た目数歳に成長しています。
龍は長命な種族です。150才前後が素人間の20才となり、成熟期に入ります。特別な病気や戦乱に巻き込まれないかぎり、750才以前に死ぬと言うことはまずありません。見た目も成人した頃のままでかわりません(意図的に外見をかえることはできます)が、龍の姿は年齢とともに成長を突ける傾向があるようで、年を取る程長くなるようです。
以上、参考になりますでしょうか…
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