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□原作について
原作「バリバリ伝説」は、講談社の雑誌「少年マガジン」の、1983年年12号から1991年30号まで、足掛け8年連載された二輪もののマンガです。
今でこの、作者のしげの秀一(敬称略)は、四輪もの「頭文字D」で大活躍しているのですが、「バリバリ伝説」は、その四輪ものへの萌芽も含んだ、連載デビュー作にして語るには欠くべからざる作品と言うことができます。
 当然のごとく、フィクションです。実在の人物、団体名等とは関係がありません。

 連載された年数は八年ですが、劇中では4年しかたっていません。
 その四年を、マンガでは三部にわけて描かれていきます。
・第一部(1〜11巻 主人公:高校二年生〜三年生)
 峠(詳しくは語られていないが、箱根など走ってたらしい)レーサーからほんまもんのサーキットレーサーの資格を取り、鈴鹿4時間耐久レースで優勝するまで
・第二部(12〜21巻 主人公:大学一年生)
 国際レースライセンスをとり、日本の二輪レース(250ccクラス)に参加
・第三部(21〜38巻 主人公:大学二年生相当)
 500ccクラスで世界進出。コンチネンタルサーカス(世界を回ってレースをするためこう呼ばれる)に参加

 個人的な好みでいえば一部>二部>三部ですね、「バリ伝」の面白さはバイクのレースだけではなく、スキマで繰り広げられる人間ドラマも面白い(しげの先生結構ラブコメも好きよね)ので、バイクのことなどよく分からないローティーン時代の自分にも読めたのではないかと思います。
 巻ごとの「スキマ」解説はまた別ページにて。

■原作思い出話
 私が「バリ伝」と遭遇したのは、あまり覚えていないのですが、小学校6年生ぐらいのころ、原作単行本17巻の「スキマ」の続きが気になって雑誌を買い始め、何かの折にもらってためておいた図書券で先行巻を買い集め(あの当時はバリ伝がきちんとひと並べしてある本屋などざらにありましたからな…)、後続巻も買い集めていったというのが実情です。
 だから、原作とのつきあいはリアルタイムでは4年ぐらいしかありません。
 なんではまったのかと聞かれても、これまた首を傾げるしかないのですが、当時のおぼろげな印象から察するに、たぶん、「主人公萌え(今的に言えば)」をしたらしいことは考えられます。
 私は、あまり主人公萌えというものをしません。「それは習性に近いね」ときょうだいに断じられるほどしません。主人公は普通、読者がある程度は感情移入しやすいように作られているものだと思うのですが、バリ伝の主人公には、そのスキマがないのです。だから、「読んで主人公になりきる」というよりは、「主人公の言動を一歩おいてみる」ということができ、そしていちいちかっこいい主人公にノックアウトされた、と。うまいんですよ、視線の投げ方とか、このオトコ。
 だから、バリ伝だけは、「主人公萌え」したのだとおもうのです。もちろん、他のキャラクターもすきなのですが、他の作品では主人公を同列に並べることもしないのに、バリ伝だけは、主人公を同列以上に並べられるのです。何故でしょうね。

 また、「バリ伝」に特別思い入れがある理由として、私が今二次創作を書いている文章の基盤が、バリ伝にあるからなのかもしれません。
 コマからキャラクターの感情を読む、コマとコマの間を読む、そして、それを文章におこす。二次創作ではなく、二次創作に走る前に「マンガのノベライズ」というへんな作業をしていた時代があり、その手本が、バリ伝の「スキマ」だったのです。(主人公のしゃれではありません)
 本格的に二次創作を書き始めるのは、その後「星矢」にハマってからなのですが、そのときに、バリ伝でやっていた「マンガのノベライズ」作業というのが、とても役に立ったような気がするのです。
 あと、単行本に色塗ったり、めちゃくちゃしましたね。もう実家においてある単行本、絶対売れない。ある意味。