(以前解説のページに載せていた、このバージョン関係の創作の解説です。)


おかげさまで、自他共に認める看板創作となったようで、嬉しい限りです。良くまあ一つのカップリングの一部始終をつくるだけでここまで出来るもんだと自分で自分を褒めてあげたい(笑)
 このシリーズを作るようになったのは、何よりカップリングにはまったというところもありますが、まずFE系譜のとあるメディアミックスが存在しまして、その中でのフィンラケの扱い(特にフィン)について、ものすごく消化不良を感じたからです。(攻略本と4こま系以外でフィンラケ扱っているメディアミックスは、私の記憶では二つしかないですが)
 自分ならこう書くなんていう、大それた決心をしたわけじゃあないですが、自分がよそに求めて満足が行かないから、自己満足的に書いちまおう、つうのはあったかもしれません。
 このサイトのFE創作の時間軸は、だいたいこの創作のタイムテーブルを基本にしてあります。また、このあと続くラケシス系創作も、大概この創作を前提にしてあるので、行きなりほかを読んでわからなかった人は、立ち戻ることをぜひお勧めします。
 書いた順番は「夜明けの青」「砂漠の落日」「イノセント・デイズ」の順だったかと思います(補完的エピソードは除いて)
「夜明けの青」…「イノセント・デイズ」の構成に合わせて、現在はだいぶ推敲してしまったのですが、原形は5章後のラケシスの現在と過去が錯綜しつつ、失踪前までの話をするものになっていました。というのも、最初この部分は彼女の手記の体裁をとっていたので、手記の中に「そういえば、こんなことがあった」という形で5章以前を振り返っているのです。さすがにこれはタイムテーブルが自分で混乱し、ほかの部分がちゃんと順を追ったものになっているので、構成を直した、というわけです。ただ、手記の名残はずっとのこってますけどね。
「砂漠の落日」…これも、フィンが後になって当時のことを誰かに話している、というつもりで書いてます。2002年夏現在未着手ですが、他の部分に合わせて構成をいじるかもしれません。系譜の創作を作ろうと思い立って、まず作ったのがこのシリーズだったので、ここでのフィンがうちでのデフォになりました。程々に人気で嬉しい限りなんですが、…これ、語り自体は36才(うち設定で)なんですよね。少年、つうか、青年時代のほうは「となりでねむらせて」とか「あけがらす」とか参照してもらうと、初々しいんだかむっつりなんだか良くわからない、ノイズの発生したフィンを楽しめると思います。
「イノセント・デイズ」…これは先に「天使のいる場所」を読まないと楽しくないかもしれません。とまれ、これは「探しに」のコンセプトがただの回想録を越え始めたときに出てきたもので、TSB的エルラケの考察みたいなもんです。ゲーム2章の村のおばちゃんが「兄妹にしては仲が良過ぎる」と深読みしているのがすべてです。「仲が良過ぎるんか、どうして?」「奥さんより妹が大切な何かがあるんちゃう?」「たとえば初恋の人に似てるとか」「グラーニェは?」「あれは婚約者ってことで、それ以前にあったら?」「それがラケシスのお母さんか…ソレダ!」…ありがちな「形代の発想」だと思います、はい。一身に割を食うのはグラーニェなんですが、彼女は、系譜の世界のバックグラウンドになっているだろう騎士物語をイメージして、ゲームの世界で戦うことの出来ない貴婦人のステロタイプを表しているのだと、思ってください。

「あけがらす」(ベオウルフなど)

 タイトルからして説明しないと行けませんねこれは。古典落語のネタの一つに「あけがらす(明烏)」というのがありまして、手っ取り早く言えば、廓話で、大店の若旦那初めての吉原、というやつであります。
(私が説明するから面白くないわけで…http://ginjo.fc2web.com/ ここの25話ご参照ください) 
 断片だけかかれて放り出されていたのを、更新に詰まって放出、って感じだったのかもしれません。困ったときのベオ先生頼み…いかんこととは思いますが、この人は本当に良くしゃべるので助かります。
 だから、この創作で楽しんで欲しいのは、ベオ先生の軽妙(私にしては)な語りと、ほとんどギャグ担当になった後朝のフィン、でもって、ちょっと込められた含蓄と伏線…伏線については鋭意作成中。