(2003/11)
[ すゑひろ忌 ]
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11/30はすゑひろの命日です。 その頃になると、たぶんアレがナニしてかけなくなりそうなので、彼の面白い話を一つ。
姪が生まれた時、姉はしばらく婚家ではなく実家で静養していました。 私はまだ実家にいまして、大きくなったらどんなになるんだろーなーと思いながら、それを見ていたのですが、 やっぱり、生まれたばかりの赤ん坊に猫は近づけさせられないので、姪と姉の布団には乗らないように注意もしたりしていたのですが、 すゑひろにとっては、それがかなりの脅威であったようでした。 いままで自分一番だった家の中に、突然何だかわからないものがやってきて、自分より大切にされている。 「なんで?」 と。
猫でも人間でも同じですが、近づくなというものほど魅力のあるものであるわけで、 ある時私は、姪が寝ている所にすゑひろが近づくのをあえてとめさせずに、観察することにしたのです。 すゑひろは、布団の足下の方からゆっくりゆっくり近づいて、首をながーくして姪のにおいをかぎ、なんか納得したような顔をしました。 それから先が面白く、すゑひろは姪には近づこうとはしませんでした。 私達が、ともすれば彼より姪を優先するのを、納得したようでもありました。 あそこまで近づいたなら仕方ないと、布団の端っこを許したのも、彼が機嫌を直した原因かもしれませんが。
すゑひろは、姪が初めて接する人間以外の動物になりました。 撫でることが理解できず、ぎゅっと彼の毛皮を握ってしまうのを、耳を引きながらも我慢して、 「こいつ、小さいからから仕方ないんだよね」 という、諦めたような顔をしていたのも、なかなか面白い思い出です。
姪はもちろん、今のまりまりにくろこも大好きらしいのですが、彼女らにとっては、姪は怪獣のようなものなのでしょう、 姪が実家に遊びに来ると、引っ込んだり外に出てしまったりして、会わないようにしているとか。
姪は多分、すゑひろのことは話に聞くだけしか知らないでしょう。 でも彼女は、すゑひろがいなくなってから最初に実家に遊びに来た時、彼がいつも眠っていた椅子のあたりに来て、 「ねこは?」 と聞いたそうです。
ああ、だんだん湿っぽくなってしまいました。 私の脳の病気は、引き金の一端に、親しい者がいなくなる「喪失体験」があるという話を聞いたことがありますが、 喪失体験が原因なら、間違いなく、すゑひろがいなくなったのが原因なのでしょう。 さっき旦那から、 「お前、猫いなくなってから脱力し始めたんだよな」 と初めて言われました。
すゑひろがいなくなるその前夜だったでしょうか、もう少し前でしたでしょうか、 もう水分さえ受け付けなくなった、6キロ近くあったのにずいぶん軽くなってしまった体を抱きながら、二階の自分の部屋に戻り、 冷たくなりはじめた手足を暖めながらいたとき、すゑひろの手が、私の頬に一度だけ触れました。 彼は自分から、私の頬に手を当てたのです。どういう思いでいたのか、そこだけは私にはわかりませんが。 「寒いから布団に戻ろうね」 私は、それ以上抱いていられなくなって、彼を暖めてある布団に戻しました。 私の頬に手を触れた時、しっかりと焦点を合わせていた彼の瞳は、その時にはもう、半分うつろな表情に戻っていました。
実家に戻ってから看取るまでの数日に、やってあげられたことは他にもいっぱいあったんじゃないだろうか。 そんなことを考えることは、今でもたまにあります。 パソコンの脇にプリントアウトした彼の写真がはってありますが、そんな私を、彼は今どんな思いで見つめているでしょうか。
2003/11/24(Mon)
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[ 基礎体温は女の嗜み ]
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実は、通う医者が一件増えました。 心療内科で手当てしてもらっている脳内物質が、女性ホルモンを激しくいじるので、忘れていた(いや、忘れていたらいたでそれも危険なのですが)月経前緊張症が悪化してしまったのです。 「他に病気があったら治せる大きいところがいい」 と先生がおっしゃるので、前々から膀胱炎になるたび駆け込む市民病院にお世話になることにしました。通院で外出するのも治療のうち。
婦人科にかかると、とにもかくにも「基礎体温はかってください」といわれます。 朝、目を覚ましたときの体温を記録し続けることで、女性ホルモンの動静を把握することができるんです、これが。 嫁ぐ直前まで一年ほど自主的に測ったことがあるので、習慣づくのははやかったわけですが、まだ一ヶ月強しかつけていないのに、おそろしいほど自分の体調がわかって面白いです。まさに女体の神秘です。 御用とお急ぎでない方は、朝五分早く起きて体温計口に入れる生活を始めてみるのもおもしろいかと。
最近はいいものがあって、データを入れるだけでグラフ作成とかしてくれるフリーソフトもあったりするのですね、それを愛用してます。医者にも受けがいいです(笑
メモ欄に、体温以外のことを書くのですが、それがちょっとした日記みたいになって面白いのですが、話題が自分の体調、ことシモがかる内容がメインなので、お見せできないのが残念です。
まにまには一応、日記ではなく雑記です。 この部分も、他の創作とおなじような「書いたものを人に見せる」場である以上、日記的にはなるけど日記にはしないつもりで書いてるのであります。
今年も後一ヶ月と半きってしまいましたよ。早いですねぇ。
2003/11/21(Fri)
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[ 献立雑記 ]
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最近のヒット作
そのいち 1.トリもも肉を、肉の面に軽く包丁を入れ、両面軽く塩コショウして、皮の面からこんがり焼く 2.トリを焼いたフライパンでキノコを炒める(マイタケとブナシメジだったけど、お好みでシイタケ・エノキもアリだろう)。 3.取っておいたトリから汁が出ていたらそれもくわえ(もったいないから)、塩コショウ・醤油で炒め上げる。 4.トリを切り分け、上に炒めたキノコを載せる。 ↓ ( ゜Д゜)メチャウマー
そのに 鍋に使うはずたったタイの切り身をうっかり忘れる ↓ 「どーする?」「徳川家康みたいに食べてみるか」「ソレダ!」 ↓ 鯛の切り身に小麦粉をはたく(反省:その時の粉はごくうっすらでいい。でないと衣がつき過ぎてぼってりしてしまう) ↓ てんぷら粉を適当に水で溶き、切り身をくぐらせてチリチリいうまで上げる ↓ 徳川家康はスダチで食べたらしいが、私らはレモン醤油。 ↓ ( ゜Д゜)カナリウマー
最近食生活がかなり野菜に傾いてます。 冬は白菜がウマイので、ネギと一緒にざくざくと切って、肉なんかと一緒に市販の鍋つゆで「煮込んじゃった鍋」をつくります。 (二人で具を入れながら食べる鍋は電気鍋出すのがもったいないので) 野菜は良いぞ〜みんなで食べよう。 でも、手抜きしたい時は出来合いだったりして、結局エンゲル係数は高いままかもしれないと思う今日この頃。 レシートをスクラップするだけの家計簿ですが、傾向と対策を練り練りしている所です。
2003/11/14(Fri)
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[ 風呂糸屋に会いたくなった朝 ]
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嫌な夢を見た。 自分の両親が離婚する夢だった。 もしかしたら、自分の両親ではなかったのかもしれない、 とにかく、自分の見知る夫婦が離婚して、 妻の悲壮な愚痴を私が聞いている夢だった。 「いくら自分の趣味に一所懸命だからって、 今になって何もかも放り出して家まで出ることはないじゃない」 と、なんとなく荷物のなくなった部屋の中で、妻なる人物は私にいった。 そして、夫なる人物は、私も知っているとある自営業のお宅の 二階に間借りてしいるといわれ、その部屋を見た。 殺風景な、四畳半程度の、椅子と机しかない、屋根裏部屋のようだった。
と、ここまでを夢に見て、 「あ〜寝覚め悪〜…あ〜、基礎体温測らなくちゃ」 と、私は寝ぼけ眼で体温計を口にくわえ、計測終了までの数十秒間のうたた寝に入り…
そこで再び目を覚まし、体温計が口に入ってないことに気がつき、 「なんだ、あれも夢か」 本当に体温計を口にくわえた。終了の電子音は、いつものように聞こえた。
夢の中で夢を見るのは覚えているかぎり初めてのことだ。 夢の中の自分を客観的に見て、『我ながら変な夢見てるな」と 笑ったりしている場合はたまにあるのだが、 ここまで夢に夢が重なるのは空恐ろしいほどの初体験だ。 数年(あるいはそれ以上)後のなにげない風景など、 子供の頃からよくデジャヴュに見るタチなので、 (今の生活のデジャヴュを旦那と知り合う遥か以前に見ていたりもするのだが、 私のデジャヴュは一度はその内容を忘れて、その場面に出くわした時に 結果的にこの風景を過去に見たぞと思い立つので、結局何の役にも立たない) あの夢の中の夢が、正夢でないことを祈る。
2003/11/13(Thr)
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[ ローマ字入力って… ]
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私は、キーボード入力は、十数年前ワープロというものを触ってからずーっとカナ入力です。 ローマ字入力もできないわけじゃないのですが、いったん考えた文章をローマ字の羅列に直すという作業が、自分には耐え難くまどろこしくかんじたので、結局カナ入力のまま今まで来てしまいました。 そういうわけで、カナ入力のほうが、自分の頭の中でながれる文章をスムーズにデジタル化できるので楽です。 そのうえ、使えるメイン端末もMacです。 Macでカナ入力。自称絶滅危惧種てす(コラコラ
それはそれとして、ローマ字入力といったら、まだ勤めている頃のことを思い出しました。 これは前に、まにまにだかに書いたことの再録ですが、オフィスの中である程度の役の人には、上のほうから一台ノート型を預けられまして、書類とかをネットワークで提出しろとか、そういうことをやっていた模様です。 そこでうっかり「パソコン、つかってますよ。機種違うけど」といったばかりに、「機種違うけど」という部分の聞こえなかった人々は私にあれこれと聞いてくるのです。 今でこそ、サブ端末にWin機を持っている私ですが、当時はMac一本、しかもカナ入力のわたしに、 W i n の ロ ー マ 字 入 力 を ど う 説 明 し ろ と。
中でも一番困ったのが 「おーい清原(旧姓)君、小さい「つ」ってどうやってだすんだい」 というやつで。 「え、ふつうにローマ字打ってて出ませんか」 「でないよ。最初に打つのはX?L? 自宅だとどっちかででるんだけどなぁ」 「はあ?」 私のほうが聞き返したくなってしまいました。決してそのとき質問してきた相手に対して腹が立ったとか、そういうのではなく、私のほうが、 「ローマ字で拗音(ゃゅょっなど)を単体で入力できる方法があるのを知らなかった」 のです。
ローマ字といえば、私の中では、小学生のときに習った、英語の前哨戦として学習したあのローマ字なのですが、そのなかでは拗音を単体で書くってことはまずしませんからねぇ。 ローマ字入力の皆さん、文脈の中で普通に出てくる拗音って、どうやってだしてます? ちなみに↑の事例の場合、 「ああ、小さい『つ』なら、子音を重ねて(例:学校→GAKKOU)出ますよ」 と説明したのですが、相手は 「いや、そうじゃなく、ちゃんと出し方があるんだよ」 といって、がんとして単体で拗音を出したい雰囲気。私はたしか、 「すみません、カナ入力してるんで」 と正直に申告して、その場をしのいだと思います。
質問された方、あれから文字の入力、多少は堪能になられましたでしょうか。 私はまだ、カナ入力です。
2003/11/02(Sun)
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[ 一生モンの話 ]
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みなさん、一生モンのネタって、どれぐらいお持ちでしょうか。
一生モンのネタというのは、自分が物心着く前〜小学校ぐらいの幼少期に起こした何かの事件がいたく家人親戚のウケをさそい、 何かの折に親戚が集まるたびに、「そういえばあの頃○ちゃんはねぇ」と、いつでも笑い話のネタにされる、その気になれば一生そのネタでもつ、そういう類のものです。 そういうネタに限って、自分では忘れていたりするので非常にウケるのがまた厄介です。
私の場合、小さい頃行った同じ海水浴場で二年連続で迷子になったとか。 2才の頃…「○ちゃんという2才ぐらいの女の子が迷子になっています云々」 3才の頃…「○ちゃんという3才ぐらいの女の子が迷子になっています云々」 お前は一年の間に自己アピール能力が向上しなかったのかよ、と。 とにかく、私は迷子と財布(にかぎらねぇか)の紛失と忘れ物がおおかったらしい(一応伝聞形)…一部、直ってないけどね。
旦那は、「添加物なし」が一生モンのネタらしい。 ちょうど、食品の合成添加物とかが問題になっていた頃で、「添加物なし」が売り物になりえた時代でしたか、わしらが小学生のころは。 旦那は、なまじ漢字がよめたので、「添加物なし」という表示に、 「かーちゃん、これもテンカブツがナシねんな」 「なにゆうてんの、はいってないよ」 「だって、テンカブツナシって」 …「添加物なし」は「添加物:梨」ではありませんよ、旦那。
一生モンのネタは、出来事を起こしたのが小さければ小さいほど突拍子もなくて面白いものです。 身近な例で申し訳ありませんが、たとえば姉の娘(姪)は、先年祖父がなくなったときの通夜で、お坊さんが読経を始めようと鐘をゴ〜ンとやったところで 「もっかい!」(もう一回) と大声をあげ、姉は彼女を抱きかかえて一目散に斎場を出たとか。 (普段から仏壇のお鈴で遊ばした親方のせいか?)
他にも、姉本人、いとこたち、いろいろ探せばあるんですが、流石にここで話すといろいろあるので、この辺にさしてもらいます。
そして今年も、旦那のおかーさまの実家のほうから、買えばいっこ四百円の梨がいっぱい送られてきました。 おあとがよろしいようで。
2003/11/01(Sat)
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